脳梁と知性:脳梁のどこが大事なのか?
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脳梁とはなにか?

ヒトの脳というのは大きさにしておよそこぶし2個分ですが、その全てが神経細胞本体で埋まっているわけではありません。

神経細胞というのは一般に軸索と呼ばれる長い神経繊維を持っており、これが脳の中で結構な体積を占めています。

このような神経繊維の中でも長いものは左右の脳半球をまたいでおり、これが太く束になった部分は解剖学的には脳梁という名前で呼ばれています。

建築でも梁というのは両壁をつなぐような構造になっていますが、これと似た構造になっているが由来になっています。

しかしながらこの左右の脳の橋渡しになっている脳梁というのは知性とどのように関連するのでしょうか。

脳梁と知性の関係

今日取り上げる論文は、脳梁と知性の関係について調べたものです。

実験の対象になったのは健常被験者62名(年齢:28.1±7.3歳、男性28名、女性34名)で、被験者には知能テスト(WAIS-R)を行わせ、総合知能と言語性知能、動作性知能について調べ、

またMRIを用いて脳梁の厚さを求め、知能との関係性について調べています。

結果を述べると、脳梁の厚さと知能(総合、言語、動作)の間には関連性が認められ、その中でも特に脳梁後部の厚さとの関連性が高いことが示されています。

上図参考URL:

興味深いことに知能との関連性が高いとされた脳梁後部は、しばしば知能との関連で言及される前頭前野の神経繊維ではなく、情報処理の基盤となる側頭葉や頭頂葉の神経繊維から構成されており、

知能のベースは基礎的な情報処理が左右の脳半球でスムーズになされることと関係があるのかなと思いました。

 

参考URL: Positive Correlations between Corpus Callosum Thickness and Intelligence

 

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