集団的知性:凡才の集団が一人の天才に勝る仕組みとは?
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集団的知性とは何か?

「三人集まれば文殊の知恵」という言葉がありますが、人間社会の面白いところは1+1が2以上になりえることではないかと思います。

異なるスキルや性格を持ついろんな人間が集まって仕事をすることで、ときに化学変化を起こすかのように優れたチームが生まれることがありますが、こういったチームが持つ問題解決能力は集団的知性と呼ばれます。

私達それぞれに知性の違いがありますが、果たして集団的知性の高さに関わる要因はどのようなものなのでしょうか。

集団的知性に影響を与える6つの要素とは?

今日取り上げる論文は、集団的知性についてなされた研究を取りまとめたレビュー論文になります。

この論文によると集団的知性に影響を主な要因として

1.構成メンバーの空気を読む能力が高いこと、これはReading the Mind in the Eyes (RME)というテストで測定可能だそうです。

2.女性がある程度含まれていること、しかしながらこれは女性特有の「空気を読む能力」が影響するためではないかとも述べられています。

3.オンラインではなく、実際にリアルに顔を突き合わせた状態で仕事をすること

4.メンバーの属性に適度な多様性が在ること。しかしながらこの多様性は広すぎるとかえってパフォーマンスが落ちる逆U字型の特徴があるため、適度であることが大事なそうです。

5.メンバー間の立場が平等で、コミュニケーションしやすい雰囲気であること

6.過剰なリーダーシップがないこと

 

などが様々な実証研究を元に大事であることが述べられています。

ビジネス書などでリーダー不在のリーダーシップなどと書かれているものを見ることがありますが、これは上記6の現象を指しているのかなと思ったり、

知性が高い人が集まってもうまくいかない場合は上記の1や3が問題なのかなと思ったりしました。

また一般にどんな優れた企業も時間が経つと組織が劣化し業績が落ちることが知られていますが、

これは時間がたつに連れてヒトが持つ社会性に従って、自然発生的に階層性が生じ、似たものだけの集まりになり多様性が減少し、タブー的なものが生じて風通しが悪くなり、上記の6つの条件を崩すことから集団的知性が低くなるのかなと思いました。

 

タイトル:Collective intelligence and group performance.

 

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