社会性 深まる絆の生理学~長く続く愛情を支えるホルモンの話~ はじめに 前回は恋愛初期に起こる胸の高まりや感情の揺れをもたらすホルモンについて話した。ドーパミンによる強い欲求、セロトニン低下が引き起こす不安定さ、そしてアドレナリンによる興奮感――これらは恋愛の初期段階の特徴だ。 しかし、人間関係が長続きするには、こうした熱狂だけでは不十分だ。恋愛の熱が冷め、安定した関係に変わる過... 2025年5月24日 佐藤洋平
社会性 恋愛感情の生理学~感情を揺さぶるホルモンの話~ はじめに 恋に落ちた経験はあるだろうか。胸がドキドキして、つい相手のことばかり考えてしまう。こうした感覚には実はちゃんとした生理学的な理由がある。生理学とは人間の身体の仕組みを研究する学問だ。例えば血圧が上がる理由、お腹が空く理由、そして恋をすると少し冷静でいられなくなる理由まで説明できる。 私たちの身体では、「ホルモ... 2025年5月17日 佐藤洋平
社会性 恋する本能:進化論で読み解く愛の三重奏 はじめに 愛というものは、古くは神話や文学のなかで神秘的かつドラマチックに描かれてきた。しかし、長い進化の歴史を踏まえると、愛には「生き延びて子孫を残す」という目的に沿った合理的なしくみが隠されていると考えられる。本稿では、進化論の基本である「適者生存」を出発点に、進化心理学の視点から愛の成り立ちを探ってみたい。 進化... 2025年5月10日 佐藤洋平
社会性 哲学における愛:エロスとアガペー はじめに 人間はもともと愛を抱く存在である。古代ギリシアでは、愛を指す言葉がいくつもあった。代表的なものとしては、エロス、アガペー、フィリア、ストルゲーなどがある。フィリアは「友愛」、ストルゲーは「家族愛」と訳されることが多いが、ここでは現代でもたびたび語られるエロスとアガペーに注目して話を進める。 エロスとは? エロ... 2025年5月3日 佐藤洋平
社会性 脳科学が解き明かす幸福の地図:いまここと死生観の交差点 はじめに 「幸福は測れるのか?」という問いは、昔から多くの人の興味を引いてきました。最近では、さまざまな生理指標(心拍数やホルモンなど)を使って幸福度を“数値化”しようとする試みが盛んですが、その中心にあるのが「脳」の研究です。脳は感情や思考を生み出す司令塔であり、「幸せを感じるとき、脳の中ではどんな変化が起こっている... 2025年4月25日 佐藤洋平
社会性 幸せのバイオマーカー:自律神経とホルモンが明かす「感じる幸福」と「測れる幸福」 はじめに 「幸福は測れるのか?」――少し不思議な問いかもしれませんが、近年は研究の世界でも真剣に議論されています。たとえば心拍のリズムや、呼吸の安定度、ホルモンの増減。もしこうした生理現象に「幸せのサイン」が隠れているとしたら、数字で自分の幸福度を確かめられるかもしれないのです。 もちろん、幸福という感覚は人によっても... 2025年4月20日 佐藤洋平
社会性 「幸せ」は測れるのか?──幸福の測定とその意義 はじめに 「幸せになりたい」という望みは、私たちがごく自然に抱く願いです。しかし、その「幸せ」とはいったい何なのか。これを言葉で定義することは容易ではありません。さらに、「幸せ」を科学的に扱うとなると、いっそうハードルが高そうに思えます。 ところが近年の心理学や関連する学問分野では、人間が感じる「幸福感」を何とかして測... 2025年4月12日 佐藤洋平
社会性 幸福と哲学――徳から考える―― はじめに 「人はなぜ幸せを求めるのか?」と聞かれたら、多くの人が「幸福になりたいのは当たり前」と答えるでしょう。でも、いざ「そもそも『幸せ』って何?」と問われると、答えに窮してしまうかもしれません。私たちは、より良い暮らしや心地よい感情を求める一方で、「本当にこれが幸せなのか?」と迷うことがあります。 古代ギリシアの哲... 2025年4月5日 佐藤洋平
社会性 思考の罠:私たちが知らず知らずに陥る「確証バイアス」の心理学 「確証バイアス」とは? 私たちは日々、膨大な情報の洪水の中を泳ぎながら生活しています。ニュースやSNS、友人との会話、学術論文など、知りたいと思ったことはすぐに検索して得られる時代です。しかし、こうした「情報過多」の環境で、常に冷静で客観的な判断ができるかといえば、なかなかそうはいきません。その一因となっているのが、認... 2025年3月1日 佐藤洋平
社会性 飽きるのは悪いこと? ー 脳と進化が教える“やる気の仕組み” はじめに:飽きはなぜやって来るのか? 熱心に取り組んでいた学習や仕事でも、ある段階に差しかかると「もう飽きた」「やる気が出ない」と感じてしまう瞬間があります。最初は「こんなに成果が出るなんて!」とワクワクしていたのに、いつのまにか退屈になってしまう。自分の根気が足りないのかと落ち込む方もいるかもしれません。 しかし脳科... 2025年2月21日 佐藤洋平