脳科学 シナプスとアイデンティティ――ドーパミンが創り出す私たちの“世界観” はじめに もし誰かに「あなたはなぜ自分の信念を信じているのですか?」と尋ねられたら、なんと答えるでしょう。「それは本当だから?」あるいは「ずっとそう思っているから」――。でも、本当にそれだけで十分でしょうか。実は脳科学によれば、“信じる”という行為は、目に見えないレベルでの激しい神経活動に支えられています。そこには、ニ... 2025年3月13日 佐藤洋平
脳科学 予測する脳と“信じる心”――私たちはなぜ誤信念を抱くのか? はじめに 私たちは日常の中で、さまざまな信念を当たり前に抱きながら暮らしています。「あの人はきっと自分の味方だろう」「この方法なら成功できそうだ」――こうした大小の信念は、人生を進める上で必要不可欠な羅針盤です。けれども、その信念が誤った方向へ傾いてしまうことは珍しくありません。ときに人は、ありもしない陰謀を疑い、偶然... 2025年3月13日 佐藤洋平
心理学 予測する脳と誤信念──なぜ私たちは「信じたいもの」を信じてしまうのか?── はじめに 私たちの脳は、まるで「未来を予測する機械」のように働いている──。近年の脳科学や認知科学では、そんな議論が盛んに行われています。その中心となるのが、予測符号化理論と呼ばれる枠組みです。この理論によれば、脳は外部から入ってくる感覚情報を受け身に処理するだけでなく、「自分はこうなるはずだ」という“予測”をあらかじ... 2025年3月8日 佐藤洋平
社会性 思考の罠:私たちが知らず知らずに陥る「確証バイアス」の心理学 「確証バイアス」とは? 私たちは日々、膨大な情報の洪水の中を泳ぎながら生活しています。ニュースやSNS、友人との会話、学術論文など、知りたいと思ったことはすぐに検索して得られる時代です。しかし、こうした「情報過多」の環境で、常に冷静で客観的な判断ができるかといえば、なかなかそうはいきません。その一因となっているのが、認... 2025年3月1日 佐藤洋平
社会性 飽きるのは悪いこと? ー 脳と進化が教える“やる気の仕組み” はじめに:飽きはなぜやって来るのか? 熱心に取り組んでいた学習や仕事でも、ある段階に差しかかると「もう飽きた」「やる気が出ない」と感じてしまう瞬間があります。最初は「こんなに成果が出るなんて!」とワクワクしていたのに、いつのまにか退屈になってしまう。自分の根気が足りないのかと落ち込む方もいるかもしれません。 しかし脳科... 2025年2月21日 佐藤洋平
心理学 脳は“ズレ”で賢くなる――予測符号化理論が明かす学習の秘密 はじめに 私たちが日常生活で当たり前のように行っている「見る」「聞く」「考える」といった行為は、脳の中でどのように処理されているのでしょうか。最新の脳科学の視点によると、脳は単に外界からの情報を受け取っているだけではなく、絶えず「何が起こるか」を先読み(予測)し続けていると考えられています。この「予測と実際の食い違い(... 2025年2月8日 佐藤洋平
脳科学 サイコパスの脳で起きていること:なぜ”共感ゼロ”なのに空気を読むのが上手いのか? はじめに 前回の記事(サイコパスとは何か?)では、サイコパスの人格的特徴や行動様式、さらには社会的なインパクトについて概観しました。今回は、「サイコパスのコミュニケーション能力」を脳科学的側面から眺めつつ、その裏付けを示す最新の研究知見を紹介したいと思います。特に「ミラーニューロンシステム」に焦点を当てながら、サイコパ... 2025年1月26日 佐藤洋平
心理学 「魅力的なのに違和感がある」サイコパスの心理を解明する 1.はじめに 一見すると魅力的で説得力ある話し方をしながら、時折、他者への共感がほとんど感じられない瞬間がある――これがサイコパスという存在に対する多くの人の印象です。短い会話だけなら「気さくで親しみやすい」と思える一方、ふと見え隠れする冷たさにどうしようもない違和感を抱くことがあります。しかも、その特性は場合によって... 2025年1月19日 佐藤洋平
社会性 「大人数の会話が苦手?」——認知・社会・行動の三つの視点と対処法 まとめ 大人数の会話では情報量が増え、認知負荷や心理的負担が高まりやすい。 評価不安や役割の曖昧さが、発言のハードルを上げる要因となる。 視覚的整理や役割明確化、非言語の言語化で負担を軽減できる。 1. はじめに 一対一の会話なら落ち着いて話せるのに、大勢が集まると頭が混乱してしまう――そんな経験はありませんか? たと... 2025年1月12日 佐藤洋平
社会性 コミュニケーションと性格の不思議な関係 〜内向性からみる「人と話す」メカニズム〜 1. はじめに 人と話すこと自体は好きでも、「大人数でワイワイした場はどうも苦手」「なかなか話に入り込めない」という経験をお持ちの方は少なくありません。こうした違和感や苦手意識には、単に「慣れ」の問題だけでなく、私たちのパーソナリティや認知特性、さらには社会的環境などさまざまな要素が関係しています。本稿では、まず一対一... 2025年1月5日 佐藤洋平