自閉症スペクトラム障害の診断方法
自閉症スペクトラム障害では一般に人とのコミュニケーションに困難をきたし、興味や行動が常同的で反復的であるとされていますが、はたしてだれがどのようにこれを診断すのでしょうか。
今日取り上げる論文は、自閉症の診断基準の一つであるADOS‐Gの開発がどのようになされたのかについての論文になります。
しかしながら自閉症スペクトラム障害の診断スケールで国際的に通用しているものにはどのようなものがあるのでしょうか。
自閉症スペクトラム障害の診断尺度
自閉症スペクトラム障害の診断尺度として世界的に通用するゴールドスタンダードのものとしては、以前紹介したADI-R(The Autism Diagnostic lnterview Revise)というものがあります。
これは対象者の保護者を対象に半構造化された面接(あらかじめ質問内容が定式化されたもの)で評価するものですが、
この方法では対象者そのものを直接観察することができない、自閉症以外の関連疾患(1)自閉症以外の関連疾患(アスペルガー障害,レット障害,小児期崩壊性障害,特定不能の広汎性発達障害)の判別が十分にできないとの課題があるそうです。
今日取り上げる論文は、対象者を直接観察もしくは質問する方法で評価することができ、なおかつ自閉症以外の関連疾患についての鑑別が可能であること、
さらに、さまざまな発達段階(表出言語がない~1-2語文/動詞を含む3語文~流暢に話す幼児/言語レベルが4歳児から思春期/思春期~成人)に応じて柔軟に対応して評価できるアルゴリズムがあるという強みがあるそうです。
科学というのは再現性・正確性を旨としており、その性質上、さまざまなものを分類・区別することを好みますが、
これが権威を持って人が無条件に信じ始めるとき、これは一つの新しい宗教のようなポジションをとることもあるのかなと思いました。