社会性の記事一覧
はじめに その昔、リハビリの現場で働いていた頃、特に気を使っていたのは患者さんとの関係構築でした。限られた時間で患者さんの回復を促すためには、患者さんにもそれなりの努力して貰う必要があります。そういったとき、信頼関係ができていないと、やるべきことをやってもらえないので、特に最初の数回は治療以上に関係構築に気を配っていた...
はじめに 仕事にしても家庭にしても、誰かを説得するというのは簡単なことではない。しかし、人間は一体どんな時に説得されやすいのだろうか。またその時には脳の中でどのようなことが起こっているのだろうか。今回の記事ではこれらの点についてまとめてみたい。 説得に関わる脳領域 前帯状皮質:一人ぼっちを感じる脳 人の意見を変えさせる...
はじめに 県民性や国民性というものがあります。たしかに地域によって住人の振る舞いや気質に特徴があるとは思いますが、なぜそのようなことが起こるのでしょうか。一節によると、人間には文化的価値観に適応する遺伝子があり、それゆえ人は置かれた環境に染まりやすいとも言われてます。文化による脳活動の違いを調べる学問領域は文化神経科学...
はじめに 原理主義的思考というものがあります。これは主に宗教分野で多いのですが、決められていること、書かれていることを思考の基盤とし、そこから外れたものを許さない思想的態度になります。世の中はどちらかというと白黒付かない灰色のものがほとんどですので、原理主義的態度で物事を通そうとすると、多かれ少なかれ摩擦が起こります。...
はじめに 私たちは時として、自己の利益を犠牲にしてでも他者を罰する行動を取ります。社会心理学の観点から見ると、このような罰の行動は、社会におけるフリーライダー(利益だけを享受し、負担を負わない人々)を減らし、協調的な行動を促進する効果があると言われています。しかし、私たちが他人を罰したいと感じたとき、私たちの脳はどのよ...
はじめに マゾヒストは状況によっては好んで痛みを引き受けますが、いったい彼らは痛みをどのように感じているのでしょうか?また脳の中や体の中では何が起こっているのでしょうか。今回の記事ではマゾヒストを対象に痛みを与えたときの脳活動やホルモンの変化を調べた研究を紹介します。 マゾヒストの脳活動(Kamping et al.,...
はじめに サディズムというと言葉が重いですが、多かれ少なかれ私達には他人を虐げることに対する喜びを感じる心があります。小さな子供は残酷に虫を殺すことがありますし、大人になっても他者が苦しむコンテンツは動画などで広く見られていますし、いじめや誹謗中傷、パワハラは数え切れないほど多く起こっています。このような嗜虐性は、英語...
はじめに 「他人に厳しく自分に甘い」という言葉もあるが、あなたは他人に対してどれくらい寛容だろうか。自分自身は寛容だと思っていても、それは単に思い込みである可能性もある。実際、自分の能力を自己評価させると、大多数の人は自分は平均以上だと答えるような話もある。寛容さは社会性の基盤であり、人間を評価する上で大事な物差しにな...
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自己紹介
佐藤 洋平
脳科学専門のコンサルティング・レポート作成を手掛けるオフィスワンダリングマインド代表。 寄稿数3,000本超、登録者12,000人超を誇る日本最大の脳科学ブログ 『脳科学 心理学 リハビリテーション』管理人。
筑波大学国際関係学部卒業後、現在、富山大学大学院医学博士課程にて心と身体の関係についての研究に従事。
専門は認知・情動・コミュニケーションに関わる脳機能についての分野。「ヒトとはなにか?」をライフテーマに脳科学、心理学、社会学から多面的に考察。
現在、日米における脳科学の知識普及を目的に『What is Man?ー脳科学、心理学、 たまに哲学ー』、『Pondering Brain』の運営、執筆を行う。
筑波大学国際関係学部卒業後、現在、富山大学大学院医学博士課程にて心と身体の関係についての研究に従事。
専門は認知・情動・コミュニケーションに関わる脳機能についての分野。「ヒトとはなにか?」をライフテーマに脳科学、心理学、社会学から多面的に考察。
現在、日米における脳科学の知識普及を目的に『What is Man?ー脳科学、心理学、 たまに哲学ー』、『Pondering Brain』の運営、執筆を行う。
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