社会性の記事一覧
はじめに 人の性格は脳のどこで作られているのか。「ここが外向性の場所だ」「あそこが誠実性の中心だ」といった単純な話ではない。しかし、近年の脳科学の研究から、性格と脳にはつながりがあることが少しずつ見えてきている。 その鍵となるのがビッグファイブ理論である。これは性格を5つの特性で表す方法だ。 外向性:人と関わる...
はじめに 「性格のいい人は成功する」「明るい性格の人は幸せになりやすい」——こんな話を聞いたことがあるだろう。でも実際のところ、性格は人生をどれくらい左右するのだろうか? 「なんとなくそんな気がする」程度の話ではない。心理学の大規模研究が示すのは、性格特性が収入・幸福度・仕事の成果・犯罪率・離婚リスクまで、驚く...
はじめに 昔のバラエティ番組を見返していると、今では笑えない場面に出くわすことがある。体型や容姿をネタにして笑いを取る芸人、失敗を延々とからかう演出。当時は爆笑していたのに、今見ると「これはちょっと...」と眉をひそめてしまう。 なぜ同じ映像なのに、昔は面白くて今は面白くないのだろう。笑いとは一体何なのか。何が...
はじめに 電車で隣に座った人がスマホで動画を見ている。突然その人が「プッ」と吹き出し、慌てて口を押さえた。こちらまでつられて笑いそうになる。笑いには確かに人から人へと伝わる不思議な力がある。 「笑う門には福来る」という言葉があるが、これは単なる気休めなのだろうか。最近の研究では、笑いがホルモンや血管、免疫システ...
はじめに 日曜の動物園でのことだ。チンパンジーの子どもがほうきを奪って逃げる。追いかける飼育員、響く「ククク…」という低い息づかい。ガラスのこちら側で吹き出した私たちと、向こうで揺れる黒い肩。進化の歳月は、この笑い声を分け隔てたのか、それとも繋いだのか。 仕事帰りに動画サイトを開けば、人間も同じように笑いに転げ...
はじめに 朝の通勤電車で、ふと目にしたポスターに描かれた「多くの人がすでに始めています」という文言。気がつけば自分も同じ行動を取ろうとしている。こうしたちょっとした誘導、いわゆる「ナッジ」は、私たちの日常にどれほど入り込んでいるのだろうか。 前回までのエッセイで紹介したように、ナッジは行動経済学や心理学の知見に...
はじめに 朝、SNSを開くと「あなたに最適なニュースを選びました」と提示される記事一覧。それをクリックするのは、果たして自分の意思だろうか、それともアルゴリズムの誘導のままなのか。こうした場面は、ほんの些細な気づきかもしれないが、実はナッジの哲学的核心を映し出している。 ナッジは人々の行動を後押しする手法であり...
はじめに スーパーのレジ前で、ついチョコレートやガムを手に取ってしまった経験はないだろうか。退屈な待ち時間、視界に飛び込む甘い誘惑――その配置も、実は巧妙に練られた心理学のトリックだ。私たちの行動はいつも理性的とは限らない。ほんのわずかな「きっかけ」が、意思決定を軽やかにねじ曲げる。 ナッジは強制でも高額な報酬...
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自己紹介
佐藤 洋平
脳科学リサーチャー、医学博士。筑波大学国際関係学類卒業。理学療法士を経て、人間と脳への関心から大学院に進学し、コミュニケーションに関する脳機能を研究。富山大学大学院生命融合科学研究科後期博士課程終了。
専門は認知・情動・コミュニケーションに関わる脳機能。脳科学リサーチ・コンサルティングを行い、研究者から上場企業まで学術支援を展開。日米を中心とした脳科学の知見普及を目指し、脳科学メディア『What is Man?』『Pondering Brain』を運営。「人間とはなにか?」をライフテーマに脳科学、心理学、哲学、社会学から多面的に考察している。
専門は認知・情動・コミュニケーションに関わる脳機能。脳科学リサーチ・コンサルティングを行い、研究者から上場企業まで学術支援を展開。日米を中心とした脳科学の知見普及を目指し、脳科学メディア『What is Man?』『Pondering Brain』を運営。「人間とはなにか?」をライフテーマに脳科学、心理学、哲学、社会学から多面的に考察している。