社会性 ときめきの心理学 はじめに 先日、あるイベントで初めてマニキュアというものを塗ってみた。なんてことはない透明なそれである。生まれて初めてマニキュアを塗ってすべすべしたその指を見た時、今まで経験したことのない不思議な感情が沸き起こるのを自覚した。ふと、これが女性が化粧で感じるとかいう「ときめき」なのかと思った。しかし、「ときめき」とはいっ... 2024年3月17日 佐藤洋平
社会性 説得の脳科学:脳から考える説得の仕方とは? はじめに 仕事にしても家庭にしても、誰かを説得するというのは簡単なことではない。しかし、人間は一体どんな時に説得されやすいのだろうか。またその時には脳の中でどのようなことが起こっているのだろうか。今回の記事ではこれらの点についてまとめてみたい。 説得に関わる脳領域 前帯状皮質:一人ぼっちを感じる脳 人の意見を変えさせる... 2024年3月10日 佐藤洋平
心理学 精神疲労の脳科学:その回復方法とは? はじめに 精神疲労とは、頭や心の使い過ぎから来る疲れである。これは難しい課題に取り組み続けることで生じることもあれば、長時間の単調な作業で生じることもある。精神疲労も一時的なものであれば少し休めば回復できるが、慢性化すると回復にも時間がかかると言われている。今回の記事ではその神経メカニズムと評価方法、回復方法についての... 2024年2月25日 佐藤洋平
社会性 文化と脳の関係性:文化神経科学 はじめに 県民性や国民性というものがあります。たしかに地域によって住人の振る舞いや気質に特徴があるとは思いますが、なぜそのようなことが起こるのでしょうか。一節によると、人間には文化的価値観に適応する遺伝子があり、それゆえ人は置かれた環境に染まりやすいとも言われてます。文化による脳活動の違いを調べる学問領域は文化神経科学... 2024年2月3日 佐藤洋平
脳科学 原理主義の社会心理学:何があなたを原理主義者にするのか? はじめに 原理主義とは、聖典に書かれていることが全てであり、それ以外の言説は認めないという考え方である。しかし、この原理主義が出てきたのはつい最近である。科学が幅を利かせ、宗教も世俗化していく中で、カウンターカルチャーのように20世紀初頭に出てきたのが原理主義である。しかし、この原理主義とはどのようにして定義できるのだ... 2024年1月28日 佐藤洋平
社会性 宗教的原理主義とその心理学的・脳科学的基盤とは? はじめに 原理主義的思考というものがあります。これは主に宗教分野で多いのですが、決められていること、書かれていることを思考の基盤とし、そこから外れたものを許さない思想的態度になります。世の中はどちらかというと白黒付かない灰色のものがほとんどですので、原理主義的態度で物事を通そうとすると、多かれ少なかれ摩擦が起こります。... 2024年1月21日 佐藤洋平
エッセイ 正義感とはなにか?その測り方と性格傾向 はじめに 「正義感」というのは、人間が持つ感情の一種で、社会のルールや公平さに反することに対して怒りや不快感を覚えるものである。この感情は悪いものとは言えないが、場合によっては暴力や非倫理的な行為につながることもある。では、この正義感とはいったいどのようなものなのだろうか。この記事では、心理学の観点から正義の概念や測定... 2024年1月13日 佐藤洋平
社会性 正義と懲罰の脳科学:なぜあなたは罰したいと思うのか? はじめに 私たちは時として、自己の利益を犠牲にしてでも他者を罰する行動を取ります。社会心理学の観点から見ると、このような罰の行動は、社会におけるフリーライダー(利益だけを享受し、負担を負わない人々)を減らし、協調的な行動を促進する効果があると言われています。しかし、私たちが他人を罰したいと感じたとき、私たちの脳はどのよ... 2024年1月6日 佐藤洋平
社会性 マゾヒストの脳科学:なぜ痛みの感じ方が違うのか? はじめに マゾヒストは状況によっては好んで痛みを引き受けますが、いったい彼らは痛みをどのように感じているのでしょうか?また脳の中や体の中では何が起こっているのでしょうか。今回の記事ではマゾヒストを対象に痛みを与えたときの脳活動やホルモンの変化を調べた研究を紹介します。 マゾヒストの脳活動(Kamping et al.,... 2023年12月23日 佐藤洋平
脳科学 マゾヒズムの心理学:なぜ痛みが快楽になるのか? はじめに 世の中には様々な性癖がありますが、その中でもマゾヒズムというのは倒錯している点で際立っています。マゾヒズムでは痛みや侮辱に喜びを感じるそうですが、なぜネガティブな刺激がポジティブな感情を生むのでしょうか。今回の記事では、そのメカニズムに触れた総説論文を元に考えてみたいと思います。 心理学的・生理学的枠組み 下... 2023年12月9日 佐藤洋平