社会性 地位財の脳科学:なぜあなたはそれを欲しがるのか? はじめに 地位財という言葉がある。これは自分の地位を示すような財のことである。高級車や高級マンション、衣服や宝飾のハイブランド品などがこれにあたる。 それに対して、非地位財は、生きていくうえで本質的に大事になってくる財である。例えば健康であることや、円満な家族関係、なにかあれば助けてくれる友人などはお金では買えないが、... 2024年7月14日 佐藤洋平
脳科学 地位財の心理学:なぜお金がないのにブランド品を買うのか? はじめに 「ブランド」という言葉を聞いたのは、小学6年生の頃だった。それまで服装には無頓着だった男の子たちが、僕のはアディダス、僕のはプーマといったようにしきりに自分のシャツや靴を顕示するようになったのだ。比較的堅実だった両親は、ロゴ一つで単価が数倍になる製品を買ってくれることはなかったが、あれが「ブランド」という物に... 2024年7月6日 佐藤洋平
脳科学 賢く生きる方法:遅延割引率を減らすには? はじめに 「待つ」というのは、人間特有の能力なのかなと思うことがある。「待つ」ためには、頭を色々と働かす必要がある。それは、先のことを見通す力だったり、今すぐ欲しい気持ちをなだめる理性だったり様々だ。 とはいえ、待つことは容易なことではない。実際、人間は目先の利益に目がくらみやすい。 人間の脳は目先のご褒美を高く評価し... 2024年6月23日 佐藤洋平
心理学 なぜあなたの脳は我慢出来ないのか?遅延報酬の脳科学 はじめに マシュマロ実験という有名な実験がある。 これは小さな子供にマシュマロが1個乗ったお皿を見せて、「15分食べずに我慢できたら2個あげるよ」といった後、どのような行動をするかを調べるものである。興味深いことに、このマシュマロ実験で15分我慢できた子は、高校になった時の成績も良好で、中年になった時の健康状態や経済状... 2024年6月16日 佐藤洋平
社会性 好きと欲しいの脳科学:愚かな行動と賢い行動の違いとは? はじめに 意識ってなんだろうとぼんやりと考えることがある。 嬉しかったり、悲しかったり、何かを企んだりと、消えては現れるその意識である。この意識とは一体どのようなものなのか。 哲学の本をめくると、そこには志向性と書かれてある。どんな意識であれ、向きがあるというのだ。りんごを見ているときには、意識はりんごの方を向いている... 2024年6月10日 佐藤洋平
社会性 「好き」と「欲しい」の脳科学 はじめに 人間、やめたくてもやめられないものがある。お酒や煙草などもそうだが、腐れ縁のような人間関係や、SNSやネットニュースなどもそうかもしれない。しかし、なぜ私たちはやめたいものをやめられないのだろうか。 実は脳の中には「好き」を司る部分と「欲しい」を司る部分がある。この2つは重複しつつも、ズレていて、それゆえ「好... 2024年6月2日 佐藤洋平
社会性 報酬系の進化と変化:なぜ高齢者は騙されやすいのか? はじめに 私達は欲望の生き物である。食欲がなければ餓死してしまうし、性欲がなければ子孫を残すことができない。欲望なくしては私達は生き延びることも命をつなぐこともできないのだ。人間の脳にはこれらの欲望を支える「報酬系」と呼ばれる仕組みがある。しかし、これは進化的に考えた場合、どのようなものなのだろうか。また一生の間にどの... 2024年5月26日 佐藤洋平
脳科学 報酬系とはなにか?私達を動かす脳の仕組み はじめに 私達は欲望の生き物です。欲しいものがあれば取りに行き、やりたいことをするためなら努力を惜しまない生き物です。そして脳の中には、報酬系と呼ばれる、欲望を叶える仕組みがあります。しかし、報酬とはそもそもどのようなものなのでしょうか。また脳の中の報酬系はどのような仕組みで動いているのでしょうか。今回の記事ではこれら... 2024年5月19日 佐藤洋平
社会性 恋の痛みの脳科学 はじめに 人は誰しも心の痛みを避けたいと願うが、人生では避けられない苦しみもある。中でも失恋は心に大きな傷を残す。この失恋による「心の痛み」はどのようなメカニズムで生じているのだろうか。 本記事では、失恋によってもたらされる心の痛みについて、脳科学的な観点から行われた研究を紹介する。失恋が脳に与える影響と感情の関連性を... 2024年5月12日 佐藤洋平
社会性 ラブホルモン:その種類と効果について はじめに 愛は複雑な感情である。子供を愛おしいと思う感情も愛であるし、パートナーに対する狂おしい愛もまた愛情である。しかしこういった愛情はどのような仕組みで生まれるのだろうか。今回の記事では愛に関係するホルモンについて詳しく説明したい。 愛の種類 愛は人間にとって普遍的な感情体験であるが、その内実は一様でない。心理学の... 2024年4月27日 佐藤洋平