集団的知性:学習するチームと学習できないチーム
病院で働いていると、同じ病院であっても部署によってそのカラーというのはずいぶん違うなという印象があります。
変化への適応が柔軟で活発に動いている組織もあれば、そうでない組織もあったりしますが、こういった組織の性質というのはどのような要因によって変わるのでしょうか。
往々にしてうまく言っている組織というのは学習し変化し続ける組織ですが、これを促す方法として従来の研究からは
・チームリーダーのコーチング
・業務作業援助(情報へのアクセスのしやすさ改善など)
などが重要であると言われていますが、チームというのは生き物であり、チームリーダーや業務環境以上にチームの雰囲気というのが大事なような気がします。
特に精神的な安心感のないギスギスした職場では生産性も落ちそうな気もしますが、果たして精神的な安心感というのはチームの学習能力にどのような影響を与えるのでしょうか。
精神的な安心感とチームの学習能力の関係
今日取り上げる論文は、チームの学習能力について、精神的な安心感がどのような影響を与えるかについて調べたものです。
この研究ではアメリカのある製造業の会社の51の部署を対象に調査を行い、精神的な安心感、
具体的にはチームのパフォーマンス改善のためには、何を言ってもチームの他のスタッフとの間に精神的な葛藤を引き起こさないという信念が、チームの学習能力にどの程度影響しているのか、
また従来重要と言われていたチームリーダーへのコーチングや業務支援はどの程度、チームの学習能力に寄与しているかについて調べています。
結果を述べると、やはり精神的な安心感があることでチームの学習能力が向上すること、
またチームリーダーへのコーチングや業務支援は精神的な安心感がある場合にのみ、学習能力への向上効果が見られることが示されています。
いろんな組織を見ていても明るくワイワイとしているところは仕事の質が高そうな印象がありますが、
やはり職場の雰囲気づくりというのは大事なんだろうなと思いました。
参考URL: Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams