負けず嫌いの恐ろしさ:テストステロンと反撃欲求
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テストステロンと攻撃的反応の関係とは?

「目には目を、歯には歯を」というルールは、はるか数千年昔、メソポタミアでハンムラビ大王によって決められたそうですが、

こういったルールが成立する背景として、人間はやられたらやり返す、場合によってはやられた以上にやり返すという厄介な性質を持っているということがあります。

こういった攻撃的反応に関わるホルモンとして男性ホルモンの一つであるテストステロンというものがあります。

今日取り上げる論文は、テストステロンのどういった性質が攻撃的反応に関わっているかについて調べたものです。

実験では男女99名の被験者に、予め勝敗が決まっているゲームを行わせ(被験者には知らせていない)、その前後のテストステロンの濃度と、ゲーム後の攻撃的反応について調べています。

結果を述べると、男性の方が攻撃的反応を行いやすく、ゲームを行う前の平常時のテストステロンの濃度は攻撃的反応の取りやすさには関係しないものの、

ゲームで負けた後、テストステロンの濃度が上昇するような男性は攻撃的反応を取りやすくなることが示されています。

よくおとなしそうに見えても、車で煽られたり抜かれたりするとカッとする人や、

ゲームで負けても落ち込むどころか、かえってテンションを上げてしまうような負けず嫌いな人がいますが、

こういったキャラクターの人に勝ち負けをきっかり決めるようなやり取りは攻撃的反応を引き起こすので避けたほうが無難なのかなと思いました。

 

参考URL :Testosterone responses to competition predict future aggressive behaviour at a cost to reward in men.

ポイント

テストステロンは攻撃的反応に関わることが考えられている。

この研究では99例の参加者(男性39例、女性60例)を対象に、勝敗が事前に決定されたゲームを行わせ、ゲームの前後でテストステロンの濃度(ベースラインおよびゲーム後の変化割合)を調べ、更にゲームに負けた後の攻撃的反応との関係について調査した。

結果、男性においてはゲームで負けた後のテストステロンの濃度の変化が大きいほど、攻撃的反応が起こりやすくなることが示された。

 

補足コメント

アンダーグラウンドな人たちとの付き合いで引退を余儀なくされた芸人や

あるいは若い頃アンダーグラウンドな人たちの顧問弁護士をしていた政治家は、

自分のポジションを脅かすような振る舞いをする相手に対し、容赦なく徹底的に叩いたというような話も聞く。

一般に負けず嫌いなテストステロンの上がりやすい体質の人というのは中途半端に叩けばかえって反応的攻撃を招くことがあるけれど、

徹底的に叩いて恐怖を植え付ければそれも防げるということを経験的に身に着けたのだろうか。

叩いたり叩かれたりするようなことは避けたいし、そんな環境からはおそらく逃げる方を取るとは思いますが、

選択肢が他にない場合、徹底的に叩くというのが生存確率を確保する上での妥当な方法なのかなと思ったりです。

 

 

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