魅力的な男性は女性のテストステロンとコルチゾールの放出を高めるか?
テストステロンというホルモンがあります。
これは男性ホルモンの一種で、個体を高い地位や影響力の獲得できるように心身の状態を変える役割があるのですが、
これは男性だけではなく、女性も男性ほどではないもの分泌されることが知られています。
男性を対象にしたある研究では魅力的な女性と一緒にいることでテストステロンの分泌が高まることが報告されていますが、これは女性の場合はどのようになるのでしょうか。
今日取り上げる論文は、若い女子大生を大将に魅力的な男性を見ることでテストステロンとコルチゾールの分泌がどのように変化するかについて調べたものです。
対象になったのは平均年齢18.5歳の異性愛者の女子大生120名で、
最初に15分間、自然の景色の動画を見せ、心を落ち着けさせたあと、
1.魅力的な男性が現れキスするまでの動画クリップ
2.高齢男性が現れる動画のクリップ
3.魅力的な女性が現れる動画クリップ
を見せ、その前後のテストステロンとコルチゾールの分泌について唾液サンプルをもとに測定を行っています。
結果を述べると、やはりというか魅力的な男性が現れたときだけテストステロンとコルチゾールの値が高まったことが述べられています。
この研究では述べられてはいませんが、テストステロンはベースライン(通常の分泌量)がもともと高いほど、その変化値も大きいことが報告されており、
男性的な傾向が強い肉食女性というのは魅力的な男性の前ではより多くテストステロンが分泌されることもあるのかなと思いました。
参考URL:
Attractive men induce testosterone and cortisol release in women.
補足コメント
先日、家族でふらりと近所の重要文化財的な建物を見てきた。
いわゆる豪農の屋敷で部屋数は広く、小さな体育館くらいの広さがある広い広いお屋敷だった。ジャニーズの何とかさんがロケで来ていたらしい。
https://www.bunka-toyama.jp/uchiyama/
広い広いお屋敷をぐるぐる歩きながら考えた。なんでこんな大きい家を作ったのだろう。
もともと人間のことを考えるのが趣味だけれども、ビジネスを立ち上げてからより考えることが多くなった。
というのも自分の行動がよくわからないからだ。
なぜ売上高にこだわるのか、なぜお金を欲しくなるのか、なぜしなくても良いことをするのか。
私だけではない。
なぜあなたは広い家を欲しがるのか、より多くのお金を欲しがるのか、高価な車を持ちたがるのか?
単純に生存だけを考えたら、本当は広い家も大きな車も多くのお金もそんなに必要ではない。
頭でわかっていても、私達はいやおうなくそっちへ流されてしまう。そこにはどんなメカニズムが働いているのか?
おそらくだけれども、仕事で成功した人が大きな家や高い車を持ちたがるのは生殖可能性のディスプレイなのではないかと考えている。
生物の基本命題は自分の遺伝子を可能な限り拡散することである。
大きな家や高い車というのは生きる上でハンディキャップになるものである(維持費が半端ない)。
お酒や悪い薬もやっちゃうというのもハンディキャップを自ら背負うことである。
孔雀と同様、ハンディキャップを提示することは異性を引き付けるディスプレイになる(これだけのハンディキャップがあっても俺は余裕ということを示す)。
必要以上に大きな家や高い車を持つというのは生態心理学的に異性を引き付けるハンディキャップによるディスプレイ戦略だと思うのだけれどもどうなんだろう。
高い地位につきたい、高いお金を持ちたい、大きな家に住みたい、高い車が欲しいというのも、意識的にしろ無意識的にしろ、より多くの女性を獲得して子孫をより多く残したいというテストステロン由来の衝動なんだろうと思ったりします。
だからだめとか言うのではないのですが、立ち止まって自分を駆動している根っこを見つめるのも大事なのかなと思ったりです。
中東のことわざに「愚かさは楽しみのために使え」というものがありますが、
楽しみの範疇に収められないのがヒトの悲しさであり愛おしさなんだろうなと自他を見て考えたりです。