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見せかけの男らしさは寿命を縮める?テストステロンと免疫機能

いろんな好みはあると思いますが、基本的には女性は男らしい外見を持つ男性を好み、男性はそれに応えるよう筋トレに励みます。

筋トレを行うことで男性ホルモンであるテストステロンが分泌されるのですが、実はこのテストステロンには免疫機能の抑制作用があり、様々な動物実験からはテストステロンが増えるほど寄生生物による感染症状が引き起こされやすくなることも示されています。

このように男らしさの発現に関わるテストステロンは免疫機能を抑制するデメリットがあり、ひいては生存確率を引き下げる可能性があるにもかかわらず、なぜメスは”男らしい”オスを選ぶのでしょうか?

今日取り上げる論文は、テストステロンと免疫機能、性選択の関係性についての総説論文になります。

内容を端的に示すと以下のチャート図になるのですが

Aはテストステロンが第二次性徴による身体的な男らしさの発現とそれに伴う地位の高さを促すことを示しており、

Bはテストステロンが免疫系と相互作用し、片方が上がれば片方が下がる関係性になっています。

Cは寄生生物が免疫系と相互作用し、免疫系が高いほど(低いほど)寄生生物による感染症状が出にくいこと(出やすいこと)が示されています。

Dは寄生生物による感染症状が起こると第二次性徴による男らしさの発現が抑えられること

Eは寄生生物による感染症状が起こるとテストステロンの分泌がよく生成されることが示されています。

またFは第二次性徴の発達が免疫機能の抑制と同時に起こることが示されています。

つまりこれらの系全体でネガティブフィードバックが働き、過度に男らしくなると免疫系が弱くなるのでテストステロンの分泌が抑制され、それぞれの個体が”適度”に男らしくなるよう調整されることが示されています。

ではなぜメスが男らしい外見のオスを選ぶのかという問いに対する答えですが、

これは男らしい外見(第二次性徴)にはテストステロンによる免疫機能の抑制、引き下げというデメリットがあるにもかかわらずなお男らしいということは、

もともと持っている免疫機能がそれだけ強いということで

それゆえ配偶者として適切な遺伝子を持っているという選択によるのではないかという仮説が述べられています。

無理な筋トレをすれば免疫機能が抑制されるということで

無理というのは何をするにしろリスクを伴っているのだなあと思いました。

 

参考URL:Parasites, Bright Males, and the Immunocompetence Handicap

【要旨】

従来メスは男性を第二次性徴で見られる形質をもとに選択すると考えられてきた。なぜなら第二次性徴で見られる形質はコストが高く、それに耐え得るだけ寄生生物に対する耐性を持つと考えられるからである。より幅広い文脈で捉えるならば、このハンディキャップ仮説はこれらの形質の獲得と維持に関わるエネルギー支出がその考えの基盤となっている。本稿では、様々な種で見られる第二次性徴を内分泌学からの視点で捉えた現象学的モデルを提示する。主要なアンドロゲンであるテストステロンは二重の機能を持ち合わせている。一つは性選択で用いられる形質の発達であり、もう一つは免疫機能の減少である。この”諸刃の剣”は生理学的にトレードオフであり、寄生生物の負荷と相互作用的に影響を与えつつ受ける関係にある。我々はメスに対するシグナルの強度と寄生生物の負荷はネガティブフィードバックの関係にあり、テストステロンによるシグナルの強さは可塑的な反応であることを示す。この反応は寄生生物による感染とシグナルの増大による生殖活動成功といった相反する要求に見合うように修正される。我々はこのトレードオフは第二次性徴の発達に密接に含まれており性選択における寄生生物の影響が定量化された研究における両義的な結果を説明するものであると考える。

コメント

メンタルを丈夫にしようかと思って筋トレを初めて約4ヶ月。

やせっぽっちだったけど体重も増え、しばしばやっかいになる抑うつ感や不安感、意味不明な疲労感も少なくなり

これはいい塩梅だと思っているけど、風邪にかかる頻度はだいぶ高くなったような気がする(重症化、遷延化はしなくなったけど)。

これは筋トレでテストステロンが増えて免疫機能が落ちるという文脈で説明できるのかなと思いました。

睡眠をしっかりとったり玄米食やらサプリメントなんかでバランスは取っているものの

どうも根本的なところでボタンをかけ違えている感じも否めず、

基本的な生活スタイルが多分体質にあっておらず、

筋トレやって肉食べて、人間関係の網の中で冴えないアンテナをバリバリ張って生き延びるよりも、

玄米やら野菜を食べて畑を耕して、独り、本を読んだり物を書いたり考えたりするのが私の自然にあっているのかなと思うこともあります。

何が正しいかわかりませんが、きっと落ちたり上がったり、ゴロゴロ転がったりして、

いつか落ち着くべきところに自ずと落ち着くのかなと思いつつ

恐る恐る様子を見ながら今日も筋トレをしようかなと思います。

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