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注意の瞬きと半側空間無視

注意の瞬きというのは聞き慣れない言葉ですが、

これは人が一度に知覚できる時間容量には限度があり、

具体的には一度目の視覚刺激が提示されてから400ミリ秒以内に提示された視覚刺激を認識できなくなるような現象を指します。

下の図でいうとT1とT2の間が400ミリ秒以内だとT2が認識できなくなるような現象を指しています。

上図参考URL:

しかしながら興味深いことに最初の視覚刺激(T1)を無視して二番目の視覚刺激(T2)だけを注意するように被験者に注意すると、きちんとT2を認識できるようになることも知られています。

参考記事:注意の瞬きと情動の関係とは?

一般に半側空間無視の病態には注意機能が強く関係すると言われていますが、果たして半側空間無視患者はこのような方法で実験を行った場合、「注意の瞬き」はどのようになるのでしょうか。

今日取り上げる論文は、左半側空間無視を示す脳卒中患者を対象にこの注意の瞬き実験を行ったものです。

対象になったのは半側空間無視を示す右半球損傷患者(平均年齢64歳)8名と、半側空間無視を示さない右半球損傷患者(平均年齢64歳)8名で、

これらの患者を対象に上図で示したプロトコルで間の時間を変化させていったときのT2の正答率が同変化していくかについて調べています。

結果を述べると、半側空間無視がある右半球損傷患者の場合、通常の注意の瞬きが400ミリ秒であるのに対し、およそその4倍の1440ミリ秒であることが示されています。

これらの半側空間無視患者の損傷領域は以下の図に示すように下前頭回と後部頭頂葉に広がっており

これらの領域が空間的注意だけでなく時間的注意も含めた注意機能全体に関わっているのかなと思ったり、

この領域の損傷が半側空間無視症状に影響を与えるのかなと思いました。

参考URL:Abnormal temporal dynamics of visual attention in spatial neglect patients.

【要旨】

単語や文字などの視覚的対象物を識別するとき、それが最初のものの400ms以内に現れた場合、私たちの2番目の対象物を検出する能力は損なわれる。この現象は注意の瞬きまたは滞留時間と呼ばれており、時間をおける注意を向ける能力(時間的注意)の尺度である。半側空間無視患者は、彼らの病変とは反対側の人や物に気づいていません。彼らは、空間内の特定の場所に注意を向けることに障害があると考えられている(空間的注意)。ここでは注意の瞬きを評価するためのプロトコルを使用して、患者の注意の非空間的な時間的ダイナミクスについて調査した。右頭頂、前頭または大脳基底核の脳卒中を有する無視患者は、異常に重度で長い時間の注意の瞬きを示した。 我々の結果は、視覚的無視が空間と同様に時間内に注意を向けることの障害であることを初めて証明するものである。

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