「タスクセット」とは何か?
あいにく私には才能の凸凹がありできることとできないことの格差が随分と大きいのですが、
世の中にはどんなことをさせても上手に集中してやってのけることができる人たちというのがいます。
しかしながらこういった人たちは脳のどういった部分の活動がほかの人たちと異なっているのでしょうか。
私たちが行う活動というのは非常に多岐にわたり、
それはキャッチボールだったり、エクセルの打ち込みだったり、歩行介助だったりしますが、
こういったことを上手にやってのけるには、脳の活動をキャッチボールならキャッチボールモードに切り替え、保つ必要がありますし、
エクセルの打ち込みならエクセルの打ち込みモードに切り替え、保つ必要があります。
またそれに加えて上手にやってのけるには何か間違いがあったときにそれを繰り返さないようキャッチボールモードやエクセルの打ち込みモードを修正してブラッシュアップする必要があります。
このように様々な課題に応じてそれに対応する脳領域の活動を引き起こし、維持し、修正するような脳活動に関わる領域は「タスクセット」という名前で概念化されているのですが、これは果たして具体的にはどのような領域で構成されているのでしょうか。
今日取り上げる論文は183名の被験者を対象に10種類の課題を行わせ、その時の脳活動を機能的MRIで測定しタスクセットにあたる領域がどの辺に当たるのかについて調べています。
結果を述べると前帯状皮質/内側前頭領域
(図は前帯状皮質)
また島皮質/前頭弁蓋部
が、ほぼすべての異なる課題の
開始時、実行時、終了時に持続して活動し、さらに間違った時には活動の増加を示したことから
これらの領域がタスクセットに当たるのではないかということ、
またいわゆる前頭前野は反応の仕方が課題によってまちまちであり、タスクセットに該当しないのではないかということが述べられています。
島皮質や前帯状皮質は情動にも関連が強い領域ですが、
何かを上手にやってのけるには情動的な何かが関係してくるのかなと思いました。
参考URL: A Core System for the Implementation of Task Sets
【要旨】
課題を行っているときに、その瞬間瞬間の情報処理を行うためのタスクセットというものがあると考える。近年開発された複合的な課題を行うことで機能的MRIを用いてタスクセットに関わる脳領域を造影できるようになった。これは具体的にはタスク開始の合図やタスクを行っている間の脳の活動を維持したり、異なる課題に関連する脳の活動に関わるものである。実験では183名の被験者を対象に異なる10種類の課題を用いて行われた。背側前帯状皮質/内側上前頭皮質と両側の島皮質/前頭弁蓋部が開始の合図とほぼすべての課題での持続的な活動を示した。上記の領域が課題における間違いと関連した活動を示し、これらが中核的なタスクセットシステムであることが考えられた。前頭前野は一部の課題の遂行に関連して活動したがすべての課題や課題の状態には対応してはいなかった。