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テストステロンは二度変わる?経年変化と反応的変化

男性ホルモンの代表的なものとしてテストステロンというものがあります。

このホルモンはいわゆる「男らしさ」に関わるホルモンで、ヒトを地位や権力、異性の獲得を巡って競争に駆り立てる力があるのですが、

私達の人生のおいてこのテストステロンの値というのはどのように変化していくのでしょうか。

今日取り上げる論文は、テストステロンの値の変化についての総説論文です。

テストステロンというのは一年中いつも同じ値を取っているわけではなく

外界の刺激に反応して大きく変化します。

これは例えば北斗の拳のような熾烈な競争社会に放り込まれると否応なしに男らしくなったり

家族や恋人が誰かから襲われたりするような時には否応なく漢になったりするように

テストステロンというのは周囲で起こるイベントに反応してその値を変えます。

またこういった短期的な変化とは別に人生周期の中でもテストステロンの上がり下がりというものがあります。

これは子供の頃はそれほど男っぽくなくても、生殖が可能となる思春期以降急激に荒っぽくなり、子育てが終わるような頃にはいい感じに枯れていくように

人生の中でも男らしさがみなぎる時期とそうでない時期の2つがあります。

また、この人生周期におけるテストステロンの値とイベントに反応して上がり下がりするテストステロンの値というのは関係しており、

下の図に示すように子供を養育する時期にテストステロン値のベースラインが最も高くなり、またイベントに反応して上がりうるテストステロン値ももっとも高くなることがわかると思います。

大人の男を怒らせたら怖いとは言いますが、子育て真っ最中のパパというのは案外最も男らしい時期なのかなと思いました。

参考URL:The "challenge hypothesis': theoretical implications for patterns of testosterone secretion, mating systems, and breeding strategies

【要旨】

血中のテストステロン(T)レベルの時間的パターンは、集団や個人の間で著しく異なり、さらには個人内であっても、ある年から次の年にかけて著しく異なることがある。 Tは生殖行動(性的および攻撃的の両方)を調節することが知られており、したがって交配システムと相関すると予想されるかもしれないが、血中のTの絶対レベルは必ずしも生殖状態を示すものではない。 むしろ、Tレベルの変化のパターンと振幅は、交配システムと養育方略のホルモンの基礎についての予測をする上ではるかに有用である。 著者らは、Tレベルの変化の大きさと個々の男性が示している養育行動の程度とを比較するモデルを提示している。 自然条件または飼育条件で繁殖するオスの鳥から収集されたデータに基づくと、一夫一妻のオスよりも一夫多妻のオスの方が社会的環境の手がかりに反応しにくいようである。

 

コメント

昨夜、やっとのことで次男が生まれた。

一人暮らしが長かったが、気がつけば5人暮らしでなんだか不思議な気がする。

出産にも立ち会ったが、子供が妻のお腹からツルンと出てくる瞬間というのは本当に不思議で、

命から命が分化したというか、命がつながっているというか、何も失われていないというかそんな感じで

わたしたち個体はいつか必ず死んでしまうけど、

命というのはこの地球に発生して以来一度も死んでいないんだなと思ったりしました。

「わたし」や「個」という概念はヒトだけが持つ幻想なんじゃないかと思ったりです。

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