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線分二等分線課題で活動する脳領域とはどこなのか?

半側空間無視を評価する課題はいろいろあると思うのですが、線分二等分線課題というのは臨床現場ではスクリーニング的に頻繁に行われるのではないかと思います。

右半球損傷の患者でも線分二等分線課題が問題なくできる人やできない人、あるいは発症直後は偏りが大きいけれどもだんだん真ん中に線が引けるようになる人などいろんなケースがあると思いますが、

この線分二等分線課題に関わる脳領域というのはいったいどのような領域なのでしょうか。

今日取り上げる論文は、健常者を対象に線分二等分線課題を行わせているときの脳活動について詳しく調べたものです。

実験では被験者に水平線、もしくは垂直線を二等分する場所へ直交する線が引かれたもの(全回数の40%)、左右もしくは上下のずれた場所へ直交する線が引かれたもの(全回数の60%)を見せ、右手のボタンでどちらかを判断させる課題(ランドマーク課題)、

あるいは同じ画像を見せ、左右上下にずれているかの判断ではなく、その画像の線分に丸がついているかどうかを判断させる課題を行わせています。またこれらの課題を行っているときの脳活動について機能的MRIを使用して調べています。

結果を述べると、水平線の課題であっても垂直線の課題であってもともに偏りを検出するようなランドマーク課題では主に右半球の前頭前野と頭頂葉の活動が高く、

とりわけ下頭頂葉においてその活動が著明であったことが示されています。

この領域は注意に関わる領域であり、半側空間無視でもしばしば責任病巣として示されるところでもあるのですが、

ランドマーク課題で注意を要求されることを反映して活動しているのではないかということが述べられています。

やはり半側空間無視の本態は注意機能にあるのかなと思いました。

 

参考URL:The neural basis of vertical and horizontal line bisection judgments: an fMRI study of normal volunteers.

 

水平線の二等分線は、右半球病変後の左視空間無視患者における空間認知の臨床試験として使用される。また、それほど頻繁ではないが、垂直線の二等分線も使用されてきた。興味深いことに、健常被験者は、水平線を左端に、そして垂直線を高い方に二分する。今回 機能的MRIを使用して、垂直/水平方向の刺激の方向が線分二等分判定に関連する神経メカニズムと相互作用するかどうかをについて調査した。誘発されたBOLD反応の統計分析はSPM99を採用した。ランドマーク課題は、主に右側ではあるが、両側頭頂葉と下頭頂葉の神経活動を増加させ、さらに両側の低次視覚領域、小脳虫部、左小脳半球、前帯状皮質、両側の前頭前野の活動を増加させた。垂直線刺激は、低次視覚領域における神経活動を異なる網膜刺激と一致して増加させた。さらに、垂直線は右頭頂後頭領域と両側の上後頭頂領域を活性化した。課題と刺激に関連付けられている神経機構の間に有意な相互作用は観察されなかった。垂直線に関連付けられている頭頂および頭頂後頭皮質における神経活性化の増加は、この刺激の向きに関連した注意の要求の増加を反映している可能性がある。刺激の方向に関係なくランドマーク課題中に後頭頂領域で観察された右半球優位性は病変研究と一致している。我々の結果は、正常な被験者と神経学的患者で観察された行動パターンは、異なる課題要求よりもむしろ異なる刺激効果から生じることを示唆するものである。

 

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