社会性 ラブホルモン:その種類と効果について はじめに 愛は複雑な感情である。子供を愛おしいと思う感情も愛であるし、パートナーに対する狂おしい愛もまた愛情である。しかしこういった愛情はどのような仕組みで生まれるのだろうか。今回の記事では愛に関係するホルモンについて詳しく説明したい。 愛の種類 愛は人間にとって普遍的な感情体験であるが、その内実は一様でない。心理学の... 2024年4月27日 佐藤洋平
脳科学 精神疲労の脳科学:なぜ頭を使いすぎると疲れるのか? はじめに 人間生きていると、どうしても無理をしなければいけない時が来る。いっときの無理であれば、少し休めば回復することもできるが、これが続くと慢性的な疲労となって身動きが取れなくなることもある。疲労については身体的な疲労と精神的な疲労に分けることもできるが、今回の記事では精神的な疲労について、その定義と脳科学的メカニズ... 2024年2月18日 佐藤洋平
脳科学 マゾヒズムの心理学:なぜ痛みが快楽になるのか? はじめに 世の中には様々な性癖がありますが、その中でもマゾヒズムというのは倒錯している点で際立っています。マゾヒズムでは痛みや侮辱に喜びを感じるそうですが、なぜネガティブな刺激がポジティブな感情を生むのでしょうか。今回の記事では、そのメカニズムに触れた総説論文を元に考えてみたいと思います。 心理学的・生理学的枠組み 下... 2023年12月9日 佐藤洋平
脳科学 サディズムの脳科学:サディストは感受性が高い? はじめに 暴力を振るうのは何も人間の専売特許ではない。クマもイヌも必要に応じて獲物やライバルに暴力を振るうことがる。しかし人間の暴力は時に喜びを伴うものもある。怒りから暴力を振るうわけではなく、他人が苦しむのを見て喜ぶために暴力を振るうことがる。このような心理的傾向はサディズムとも呼ばれているが、これはいったいどのよう... 2023年11月25日 佐藤洋平
脳科学 悲嘆の生理学:大事な人の喪失で何が起こるのか? はじめに 愛する人との別れはしばしば強い悲しみを引き起こします。通常であればこのような悲しみは数ヶ月で軽減するのですが、およそ1割のケースでは1年以上立っても強い悲嘆感から立ち直れないことが知られています。このような状態は精神医学的には複雑性悲嘆(遷延性悲嘆症)と呼ばれていますが、生理学的にはどのようなものとして捉える... 2023年9月16日 佐藤洋平
心理学 行為についての依存症:恋愛、宗教、ビジネス、インターネット はじめに なにかに夢中になれる人生というのは意義深い。しかし、これも度がすぎると人生を台無しにしてしまうこともある。仕事や恋愛などがいい例で、最近ではSNSやオンラインゲームに夢中になりすぎて困るという話も聞く。今回の記事では、依存症の中でも行為依存と呼ばれるものを取り上げる。これは、なにかしらの行為に対して依存するも... 2023年7月23日 佐藤洋平
脳科学 同性愛の生物学と心理学 同性愛者の生物学とパーソナリティ 人間のことに興味がある。人間のあり方は、やることなすこと矛盾に満ちていて、ツッコミどころ満載だからだ。幸い、世の中には進化心理学という理論もあって、この矛盾をあれこれ説明してくれる。いわく人間がゴシップが好きなのはその方が生存確率が高くなるからだ、男が酒タバコ薬物をアピールするのは、女... 2023年4月24日 佐藤洋平
社会性 不安感とアミノ酸:何が効くのか、なぜ効くのか? 不安感とアミノ酸 不安感というものがあります。 不安感自体は決して悪いものではありません。というのも、生きていく上でいちばん大事なのは生き延びることであり、危険を避けるためにも不安感を感じる必要があるからです。 とはいえ、私達は同時に社会に生きる生き物でもあります。社会で生きるということは、よくわからないものを信じると... 2022年10月26日 佐藤洋平
脳科学 意識夢 夢の本質的な機能とはなにか?人工知能から考える夢の仕組み 夢とは何か? 私達人間は夢を見ますが、どうも夢を見るのは人間の専売特許というわけでもなく、他の動物、もっとも小さいものでは 実験動物で有名なC. elegans(最初に全遺伝子が解析された小動物)でも夢を見ていることを示唆する研究もあるそうです。 そう考えると、夢というのは進化論的に何らかの必然性があるのではないかとい... 2020年8月24日 佐藤洋平
発達 予測的符号化 行動、学習、発達、進化をつなぐ自由エネルギー原理とは? はじめに 私達が生きる世界というのは不思議に溢れています。 なぜ子どもは歩けるようになるのか? なぜ私達は愛し合い、かつ殺し合うのか? なぜ私達は心を病み、そこから回復していくのか? 当たり前といえば当たり前なのですが、こういった問題というのは一つとっても完全には分かっていません。 こういった謎に対して挑むアプローチと... 2020年7月17日 佐藤洋平