心理学 サディズムの脳科学:サディストは感受性が高い? はじめに 暴力を振るうのは何も人間の専売特許ではない。クマもイヌも必要に応じて獲物やライバルに暴力を振るうことがる。しかし人間の暴力は時に喜びを伴うものもある。怒りから暴力を振るうわけではなく、他人が苦しむのを見て喜ぶために暴力を振るうことがる。このような心理的傾向はサディズムとも呼ばれているが、これはいったいどのよう... 2023年11月25日 佐藤洋平
脳科学 悲嘆の生理学:大事な人の喪失で何が起こるのか? はじめに 愛する人との別れはしばしば強い悲しみを引き起こします。通常であればこのような悲しみは数ヶ月で軽減するのですが、およそ1割のケースでは1年以上立っても強い悲嘆感から立ち直れないことが知られています。このような状態は精神医学的には複雑性悲嘆(遷延性悲嘆症)と呼ばれていますが、生理学的にはどのようなものとして捉える... 2023年9月16日 佐藤洋平
脳科学 行為についての依存症:恋愛、宗教、ビジネス、インターネット はじめに なにかに夢中になれる人生というのは意義深い。しかし、これも度がすぎると人生を台無しにしてしまうこともある。仕事や恋愛などがいい例で、最近ではSNSやオンラインゲームに夢中になりすぎて困るという話も聞く。今回の記事では、依存症の中でも行為依存と呼ばれるものを取り上げる。これは、なにかしらの行為に対して依存するも... 2023年7月23日 佐藤洋平
脳科学 同性愛の生物学と心理学 同性愛者の生物学とパーソナリティ 人間のことに興味がある。人間のあり方は、やることなすこと矛盾に満ちていて、ツッコミどころ満載だからだ。幸い、世の中には進化心理学という理論もあって、この矛盾をあれこれ説明してくれる。いわく人間がゴシップが好きなのはその方が生存確率が高くなるからだ、男が酒タバコ薬物をアピールするのは、女... 2023年4月24日 佐藤洋平
社会性 不安感とアミノ酸:何が効くのか、なぜ効くのか? 不安感とアミノ酸 不安感というものがあります。 不安感自体は決して悪いものではありません。というのも、生きていく上でいちばん大事なのは生き延びることであり、危険を避けるためにも不安感を感じる必要があるからです。 とはいえ、私達は同時に社会に生きる生き物でもあります。社会で生きるということは、よくわからないものを信じると... 2022年10月26日 佐藤洋平
脳科学 意識夢 夢の本質的な機能とはなにか?人工知能から考える夢の仕組み 夢とは何か? 私達人間は夢を見ますが、どうも夢を見るのは人間の専売特許というわけでもなく、他の動物、もっとも小さいものでは 実験動物で有名なC. elegans(最初に全遺伝子が解析された小動物)でも夢を見ていることを示唆する研究もあるそうです。 そう考えると、夢というのは進化論的に何らかの必然性があるのではないかとい... 2020年8月24日 佐藤洋平
発達 予測的符号化 行動、学習、発達、進化をつなぐ自由エネルギー原理とは? はじめに 私達が生きる世界というのは不思議に溢れています。 なぜ子どもは歩けるようになるのか? なぜ私達は愛し合い、かつ殺し合うのか? なぜ私達は心を病み、そこから回復していくのか? 当たり前といえば当たり前なのですが、こういった問題というのは一つとっても完全には分かっていません。 こういった謎に対して挑むアプローチと... 2020年7月17日 佐藤洋平
認知 予測的符号化 バーチャルリアリティと主体感:予測的符号化の立場から バーチャルリアリティと主体感 バーチャルリアリティと言われて思い出すのは、数十年前に体験したディズニーランドのスター・ツアーズなのですが https://youtu.be/xbC6LRNaqyU バーチャルリアリティはこのようなアトラクションだけでなく近年の技術の進歩に寄って身近なものになってきています。 このバーチャ... 2020年5月11日 佐藤洋平
社会性 予測的符号化 神経生理学から見るやる気を出す方法 なぜあなたはやる気を出せないのか? 「やる気を引き出す」というのは人間にとっての永遠のテーマです。 締め切りの近い仕事があるにも関わらず、取りかかれない、 早くご飯を食べてほしいのに、子供はいつまでたっても食べてくれない、 ばりばり仕事してほしいのに、部下はちっともやってくれない、 やる気があれば水が流れるように進むこ... 2020年5月7日 佐藤洋平
社会性 感情は本当に普遍的か?脳と感情の新たな神経生理学的パラダイム あなたの喜びとは何か?悲しみとはなにか? 私達は日々、様々な感情を体験しますが、この感情とはどのようなものなのでしょうか? 心理学の授業や本でよくあたるものに感情は普遍的であるというテーゼがあります。 これは典型的な喜びの顔や怒りの顔、悲しみの顔というのは世界中どの文化圏であっても(ニューヨークであってもアフリカの奥地... 2020年4月7日 佐藤洋平