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半側空間無視と脳内コネクティビティ

脳卒中になると手足が動かなくなるだけでなく、時として認知機能に様々な障害が生じることがあります。

こういった障害は高次脳機能障害と呼ばれていますが、その中で頻繁に起こるものに半側空間無視というものがあり、この症状では視界の半分(主として左半分)に注意が向きづらくなり、

左側のご飯を食べ残したり、左側の障害物にぶつかってしまったりと様々に日常生活の障害を生じてしまい、

場合によっては自宅での生活が難しくなってしまうということもあります。

このような症状は脳卒中によって脳内の情報の連絡がうまくいかないことから生じると考えられていますが、

これは具体的にはどのような連絡が阻害されることで生じるものなのでしょうか。

今日取り上げる論文は、半側空間無視患者を対象に機能的MRIを用いて脳内のつながりについて計測し、半側空間無視の症状とどのように関係しているかについて調べたものです。

この研究では初発の脳卒中患者で半側空間無視を示すものを対象に半側空間無視症状の評価や上肢機能の評価を行い、安静状態における脳内のつながり(コネクティビティ)を測定し、その関係性について調べています。

対象になった脳内のつながりは、左右両半球における背側注意ネットワーク(前頭眼野、頭頂間溝、MT野)と感覚運動ネットワーク(補足運動野、二次体性感覚野、比較、視床、小脳)で、

これらが左右の各半球内でどの程度強くつながっているのか(半球内コネクティビティ)、また左右両半球を挟んでどの程度強くつながっているのか(半球間コネクティビティ)について調べています。

結果を述べると、半側空間無視に影響を与えるのは注意ネットワークがどれほど左右の半球感で強くつながっているかであり、このつながりが強いほど症状が弱いこと、

また同じことは感覚運動ネットワークと上肢機能についてもいえることが示されています。

脳の中をつなぐ連絡経路は様々ですが、やはり脳卒中による半側空間無視においては半球間の連絡経路が与える影響が大きいのかなと思いました。

参考URL:Resting Inter-hemispheric fMRI Connectivity Predicts Performance after Stroke

 

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