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人工知能と頭頂葉、リーチ動作

人間の脳というのは見方によっては有機物でできたコンピュータとみることもできるのですが、

実際脳科学の歴史を振りかえってみると、人工知能研究と補い合いながら発達してきた歴史があるようです。

今日取り上げる論文は、リーチ動作における頭頂葉の神経細胞がどのような仕組みで動いているのかについて調べたものですが、

この研究を行うに当たり、やはりヒントになったのは近年の人工知能の知見だったそうです。

人工知能というとよく聞くのがディープラーニングですが、このディープラーニングは情報処理を多段階で行うことでより精緻な計算がなされるというもので、アイディア自体はずいぶん昔からあったようですが、

実際なかなかうまく行かず、ブレークスルーとなったのは情報処理過程にあえてノイズをいれることだったようです。

今日取り上げる論文は、リーチ動作における頭頂葉のリーチ動作関連ニューロンについてのものです。

なにかに手を伸ばすというのはいとも簡単なような気がしますが、これをロボットに実装するとなるとおそらくなかなか大変なのではないかと思います。

まず視覚情報からコップやフライパンなど、手を伸ばす対象が眼球を中心とした空間のどこにあるかということを読み取り、

さらにそれが自分の体、たとえば肩関節を中心とした場合、それがどの方向にあるのかというのを計算し、

さらにそのあるべき方向に手を動かすには、どの筋肉をどの程度収縮させて、関節角度を何度にしなければいけないというのを計算して出力しなければいけません。

頭頂葉というのは視覚情報を運動情報に変換する中継ぎに当たる領域なのですが、

サルを対象にリーチ課題を行わせている時の頭頂葉のリーチ関連領域の神経細胞の活動を調べてみると、

視覚情報だけでなく、手がどこにあるかという体性感覚情報の両方をコードしていること、

こういった複合的な情報のコードの仕方があるおかげで情報処理に柔軟性がうまれることなどが述べられています。

人間の脳というのはうまい具合にできているのだなあと思いました。

参考URL:Idiosyncratic and systematic aspects of spatial representations in the macaque parietal cortex

 

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