注意をすることと視線を動かすことは同じか?

「目端がきく」という言葉もありますが、私達人間は様々なものに注意を向ける生き物です。

注意するときには大概の場合視線をそちらの方へ向けますが、

こういった時にはサッケード(急速眼球運動)と呼ばれる減少が起こります。

ヒトの目というのは意外とはっきり見えているようでいてそうではなく、

本当によく見えているのは眼球の中でも中心窩と呼ばれる部分であり、それ以外のところは実はボンヤリとしか見えていません。

何かを見ているときというのはこの中心窩が対象に向くように眼球の位置が調整されているのですが、このサッケードでは対象物に中心窩が当たるように眼球運動が急速に起こります。

しかしながら最初に上げた「目端がきく」という言葉にあるように、私達は周辺視野にも注意を配ることができ、

この能力があるので車を運転していても急な飛び出しに気がつくことができたり、

リバビリ室でのトラブルにハッと気づくことができたりします。

あるいは脳卒中で起こる半側空間無視では注意も視線の移動も難しくなることがあります。

しかしながら脳の働きを考えるとき、「注意する」ということと「目を動かす」というのは果たして同じものなのでしょうか、それとも違うものなのでしょうか。

注意と視線の動きに関わる脳活動

今日取り上げる論文は、この注意と視線の動きに関わる脳活動についてPETを使用して詳しく調べたものです。

実験では視線を固定して注意のみを左側へ向ける課題と、実際に視線を左側へ動かす課題を行い、その時の脳活動について調べているのですが

結果を述べるとこの2つの課題においては重複する部分が多く、

具体的には前頭葉、頭頂葉、側頭葉の表面からは見えづらい脳溝の部分を中心に共通する活動が見られることが示されています。

このことから注意することと視線を動かすことは共通の神経基盤を持っているのではないか、しかしながらこれらの領域が同じような流れ(仕組み)で情報伝達されるとは限らないのではないかということが議論されています。

半側空間無視では注意も視線の移動もともに妨げられることがありますが、こういった現象は注意と視線の動きが共通の神経基盤にあるということが原因にあるのかなと思いました。

参考URL:A common network of functional areas for attention and eye movements.

 

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